ギャラリー
【Works 41】
せせらぎの家
OMX
福知山市 2021.8

登り軒天の家・・・その名の通り、普通は外壁面から屋根の先端、軒先に向かって、下るかたちとなる軒天(フラットの場合もあるが)が、逆に、登るかたちとなっている家なのである。かたち、形態は、自然派生的な、発想から生まれている、、、かたちありきの、結果でのかたちでなく、そこには、理由、意味合いがあるのである。
敷地は、新しく造成された、いわゆる住宅地、新しい家が建ち並ぶのである。そんな、一角に位置取る。着工当初は、空き地であった土地が、住宅によって埋まっていく。逆に言えば、個々の住宅によって縁取られた、敷地なのである。そんな、環境の中、内部空間に居ながらにして、少しでも多くの、自然の光の移ろいが、感じ取られる仕掛けとしての、登り軒天なのである。。。いわば、外的要素である、太陽の光。その光は外壁に当たり、そのバウンドした光が軒天に、当たり、乱反射され、内部空間に、そして、まわりに、光として、影響を与えるのである。
外観はミニマムなボリュームとした、内部空間の在り様がそのまま、外部の形態となるのである。色調も抑え気味のほどよい色目が寄り合う。ファサードである北面と、反対側の南面の2階部分の外壁、そしてその外壁につながる登り軒天は、ざらりとした風合いが感じられる、山砂掻き落としとした。左官の技法のひとつ、掻き落とし仕上げ、左官屋さんに、腕をふるっていただいたのである。山砂と、リシンを練りこんだものを平坦に塗り整え、一晩置き(冬は)、剣先のような道具で、表面を掻く、掻き落とす、そして、コテで塗った見え様から、風合いが一変するのである。面に細かな凹凸が出来、なんとも、深みのある風合いとなるのである。遠目からではわかりにくいが、近寄ってみれば、よくわかる。夜、照明の光が当たると、なおのこと、、、なかなかの風合いとなったのである。そして、内部空間とつながる、玄関戸、その部分の壁、庇の軒天、南面のデッキ廻りの外壁、庇の軒天は、木板張りとして、木の風合いが感じられるようにした。内部の木の空間に誘う、板張りなのである。外観のワンポイントとなっているのである。そして妻側、東西の屋根の出はなしとし、外壁は雨風に強いガルバリウム鋼板の小波縦張り、上から下まで継ぎ目なし、としたのである。こちらは、板金屋さんに、腕を振るっていただいたのである。屋根の出をなしにしたのは、出来るだけ太陽の光が窓から入るようにという旨なのである。窓から雨が入りにくいよう、全ての窓上には、当社定番のアルミ製の小庇を付けているのである。
-
- フォームからのお問合せ
- お問い合わせフォーム
-
- お電話からのお問合せ
- 0773-27-8739
-
- FAXでのお問合せ
- 0773-27-8030