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住まいの知識、教えます。

2017年02月23日 【

シロアリについて

最近、テレビを見ていますと、よく住宅の番組を目にします。私も仕事柄、その手の番組はよく見るのですが、その中でよく取り上げられている題材に「シロアリ」があります。春さきからシロアリの活動が活発になります。ということで、今回はまずシロアリについてです。かたい内容になりますが、家を長く快適に保つためにはひとつ知っておかなければならない事です。

1.シロアリの生態

■ヤマトシロアリとイエシロアリの区別


ヤマトシロアリ
●分布/北海道北部を除く日本全土
●好む土質/粘質土
●好む木材/湿潤な木材
●羽あり/ 体長 4.5~7.5mm、体色黒褐色、群飛時期4~5月の昼間
●兵あり/体長 3.5~6.0mm、 円筒形に近く両側が平行、体長の約1/2


イエシロアリ
●分布/本州南岸以南
●好む土質/砂質土
●好む木材/湿潤な木材に限らず乾燥材も
●羽あり体長/7.4~9.7mm、体色黄褐色、群飛時期6~7月の夕方
●兵あり/3.8~6.5mm、頭部卵形、体長の約1/3

「シロアリ」と「クロアリの羽アリ」の見分け方


シロアリ
●触覚/数珠状
●胴体/くびれがない
●羽/4枚とも同じ大きさ


クロアリの羽アリ
●触覚/L字
●胴体/くびれて細い
●羽/前が後より大きい

日本に広く分布し、家屋に被害を及ぼす代表的な種は、ヤマトシロアリとイエシロアリの二種です。上図のようにこの2種類は異なった生態をしており、私達が生活する地域ではヤマトシロアリが生息していると考えられます。シロアリが好む場所は、湿気の多いところ、日が当たらず風の通らない所とされます。

2.わが家にシロアリがついていないか確かめる方法

●床下や基礎また土台に蟻道(シロアリは光や風を嫌うため、土で道を作ってその中を移動する)や蟻土(木材の割れ目や継ぎ目に土を詰める)がないか調べる。
●食痕がないか確認する。
●柱などの木材をハンマーでたたいて空洞音が聞こえないか。
●住まいやその近辺からシロアリの羽アリが郡飛(新しい巣を作るため巣から飛び出す。ヤマトシロアリは日中に群飛する)

3.対策

基本的に薬剤に頼らない建築的対策をとっています。やむを得ず土壌処理等の薬剤処理をした場合であっても、その効果は建物の寿命ほど長くは持続しません。またOM ソーラーの場合、空気の通り道となる床下空間への薬剤散布は絶対避けなければなりません。
建築的対策として以下のことをしています。
1.土中にはシロアリの餌となる木材・根株などを残さない。
2.基礎は、床下に水分が上がらないように防湿シートを敷き詰め、土壌を盤面コンクリートで覆うベタ基礎とする。(シロアリが侵入できない基礎構造にする)
3.土台などの木部には、ヒノキ・ヒバのような対蟻性のある樹種を使う。
4.床下の空気が滞留しないように基礎構造を考慮し、床下換気計画をしっかり行う。
5.床下を点検できるように,点検口を設ける。
6.アリ返し形状の水切りを施工。

4.普段からの心がけ

対策として以上のことを行うことで、シロアリに対して絶対かと言えばそうは言えません。シロアリが住みついてしまってからでなく、普段から少しでも気にかけておくことも大切なことだと思います。(例えば、家の周辺に木材など物をできるだけ置かず、風通しに配慮する。羽アリ(ヤマトシロアリ)が飛んでくる4 ~5 月には家の周辺を見回る。)そして、もし発見した場合は早くに対処することが大切です。